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成功事例

VC900-M8M、ARTCによる自動運転レベル4の小型電気バス開発を支援

VC900-M8M、ARTCによる自動運転レベル4の小型電気バス開発を支援

VC900-M8M Supports ARTC to Create Level 4 Self-Driving Electric Minibuses

人工知能(AI)、クラウド、モノのインターネット(IoT)などの新興技術が成熟していくのに伴い、自動運転車(Autonomous Vehicle)は、想像上のものから現実のものへと変わりつつあります。世界の労働市場における構造変化などの要因により、この数百億米ドルに上るビジネスチャンスを見据えて、産業・政府・学術・研究の各分野における専門家が続々と自動運転車分野に参入し、技術の発展を加速させています。

組込みシステムおよび産業用コンピューター(IPC)のグローバル大手ブランドであるDFIは、車載分野に深く携わってきた長年の経験を活かし、財団法人車両研究テストセンター(ARTC)および台湾のメーカー数社と提携して、車載専用システムVC900-M8Mの提供や、システム接続、セキュリティ脆弱性などに関する機能実現に向けた技術的支援を行い、各社が力を合わせ、米国自動車技術者協会(SAE)により定義された自動運転レベル4を達成する、台湾初の「メイドイン台湾(MIT、Made in Taiwan)」の自動運転小型電気バスWinBusを開発しました。

産業: 交通運輸

アプリケーション: 自動車用テレマティクスボックス(Telematics Box、T-Box)

ソリューション: VC900-M8M 車載専用システム

VC900-M8M

自動運転車が、将来の運転手不足および地球温暖化のソリューションの1つに

近年、少子高齢化の影響を受け、労働力不足がネットゼロ・エミッションと同様に、世界各国で重要視されるようになりました。交通運輸産業においては、バスや貨物輸送車の運転手不足が最も深刻となっています。例えば、国際道路輸送連盟(IRU)が2023年初めに発表した記事では、欧州のバスや貨物輸送車の運転手が60万人不足しており、この状況が続くと、2026年には不足した運転手の数が200万人まで拡大する恐れがあると指摘されています。また、米国テキサス州のメディア「kbtx」の報道によると、現地の116あるバス路線のうち16路線には、乗務できる運転手がおらず、生徒の就学に影響が生じています。

自動運転車は、これらのソリューションの1つとして注目されており、各分野の専門家はその開発に積極的に力を注いでいます。国際的な市場調査会社「Fortune Business insights」は乗用車および商用車市場に関するレポートにおいて、世界の自動運転車の市場規模は2029年に199億米ドルを超え、2022年から2029年までの年平均成長率(CAGR)は42.97%に達すると予測しています。また、別の市場調査会社「Future Market Insights」も、自動運転車市場に対して堅調な見通しを示し、2033年にはその市場規模が700億米ドルを上回ると予想しています。

LiDARなどの先進技術を搭載した自動運転車は、従来の車両に取って代わり、交通の効率性・安全性を向上させることができ、これが自動運転車の成長を促進する大きな要因であるということは、業界における共通認識となっています。さらに、「Future Market Insights」は、自動運転電気自動車には、世界の省エネ・二酸化炭素削減を後押しできる可能性もあると考えています。V2X(Vehicle to everything)は、自動運転車の導入で得られるこれらのメリットをすべて享受するために欠かせない重要な技術であり、これこそがT-Boxの存在価値でもあります。

自動運転車が二酸化炭素削減を実現する鍵は「ネットワーク接続」

欧州自動車工業会(ACEA)のレポートでは、自動車の頻繁なブレーキ・加速を避けることで、炭素排出量を5~20%削減できると報告されています。これを実現するには、インターネットで車両と接続し、リアルタイムで道路交通情報を取得してルート予測や早めのブレーキ操作などができる、高度道路交通システム(Intelligent Transportation System、ITS)が必要となります。

VC900-M8Mは、WinBusの情報分析プラットフォームとして、伝達を担う車両の神経のようにクラウドプラットフォームやオンプレミスデバイスと接続し、間断なくデータの保存・収集を行います。例えば、イーサネット(Ethernet)を介して4Gルーター(Router)に接続し、近くの信号機の状態や秒数など、リアルタイムの道路交通情報をITSから受信するとともに、IP Cameraから映像データを取得し、周囲の車両との状態を判断します。

また、車両制御ユニット(VCU)、先進運転支援システム(ADAS Controller)、電動パワーステアリングシステム(EPS Controller)、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)など、コントローラに接続された電子制御ユニット(ECU)は、T-Boxが取得したデータに基づいて演算し、その結果に応じたコマンドを対応するユニットに転送することで、ブレーキや加速などの操作を実行します。車両の状況をリモートで監視し、T-Boxに保存されているデータを管理するため、車内のすべてのデータは、収集されると同時に圧縮され、ARTCによって構築されたクラウド管理プラットフォームに送信されます(仕組みは下図のとおり)。

The Data Collection Platform: Key for Winbus to achieved SAE Level 4 driving automation

ARTCのWinBusは、経済部技術処のプロジェクトによる支援を受け、DFIなど複数のメーカーが集結して開発されました。2020年1月、サンドバッグ制度を利用した彰浜工業区・鹿港エリアにおける自動運転観光バスの実験計画が承認され、WinBusは台湾初の自動運転実験車として、運行されることになりました。彰浜工業区付近の観光スポットや鹿港天后宮の駐車場における観光客の送迎のほか、屏東科技大学におけるキャンパスでの送迎の検証、さらには墾丁森林遊楽区、桃園市虎頭山創新園区などの非公共エリアでの機能検証も行われました。

彰浜工業区での検証では、信号のある交差点、信号のない交差点、十字路、T字路などを通るように計画されただけでなく、他の車両、人、野良動物がそばにいながら、一方通行道路、双方向道路、車線数減少などの状況に遭遇するなど、計23種類の組み合わせで実証テストが行われました。複数のエリア検証を経て、WinBusが搭載する自動運転システムの基本機能のシミュレーションが完了し、実際のニーズを満たす信頼性が認められました。

VC900-M8M Success Case

MITの小型電動バスの自動運転が成功した今、次なる目標はOTAのニーズに対応する情報セキュリティの強化

現在、WinBusで得られた成果を中型・大型バスなどの車両に活かす計画の策定が進んでいます。また、さらなる応用を推進するため、ARTCではこの計画の標準化も進めています。さらに、将来のAIアルゴリズムのアップデート、ならびにスマートカーに必要なソフトウェアやファームウェアの不定期のアップデートに対応するため、ATRCはシステムの安全性・安定性などの特性を強化していく予定です。そのため、このT-Boxには、復号化設計やファームウェアのOTAアップデートなどの機能が追加される予定であり、ハッカーによる車載システムへの侵入を防止するため、バージョンが常に最新のものに保たれるとともに、より便利なシステムアップデートが実現されていきます。そして、VC900-M8Mの役割は、ますます重要になっていくことが予想されます。

特にセキュリティは、インターネットに接続するデバイスにとっての必須要件となります。人の安全に関わる車両であれば、「ハッキング防止」の優先順位を高くする必要性も生まれます。そのため、DFIは業界に先立ち、グローバルな大手情報セキュリティ企業であるトレンドマイクロ傘下の車載情報セキュリティソリューション企業、VicOneが開発した、xCarbonを統合しました。このソリューションは、機械学習(ML)などの技術を組み合わせることで、スマートセンサーモジュールや仮想パッチなどのツールを作成し、リソースを最小限に抑えて、さまざまな自動車の電気電子アーキテクチャ(EEA)に対応したドメイン/IPフィルタリングやCAN Bus異常検知などの機能を提供するものです。

その高品質かつ包括的な製品ポートフォリオにより、DFIは自動運転車産業におけるベストパートナーであり続ける

40年以上にわたってIPC分野に携わってきたDFIは、VC900-M8Mなどの車載専用システムソリューションに加えて、業界をリードする産業用マザーボード(Industrial)、産業用タッチパネル型コンピュータの製品ライン、そして高度なカスタマイズに対応できる開発能力を備え、1000 PPMを下回る高品質の実現にこだわっています。スマート化および多機能化が進む今後の車載市場や、高い安全性と安定性が求められる自動車産業に対応するべく、お客様のニーズを満たす能力を備えるDFIは、より包括的な機能を有し、より市場のニーズに近づいたソリューションを開発し続けていきます。