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成功事例

ハードとソフトの両面からシームレスな技術サポートで、信頼性の高いパーキングメーターを実現

ハードとソフトの両面からシームレスな技術サポートで、信頼性の高いパーキングメーターを実現

パーキングメーター

パーキングメーターは有料駐車場や路上の駐車区域に設置される駐車料金の自動収受機です。万一故障が発生すると車の所有者に迷惑をかけることになるため、極めて高いソフトウェアとハードウェアの信頼性が求められます。ソフトウェアとハードウェアのサービスにわたるトータルソリューションを提供するヨーロッパの企業は、駐車場管理の国際市場でブランド認知を獲得することを目標としています。DFIのシームレスな技術サポートと、ハードおよびソフト両面での機動的な業務サービスにより、同社は最も信頼性の高いパーキングメーターを生み出すことができました。

 

地域:ヨーロッパ

業界:駐車場管理システム

アプリケーション:パーキングメーター

ソリューション:KS210-IMX6(NXP i.MX6システムオンチップ)

 

パーキングメーターが故障すると、深刻なトラブルが発生することは想像に難くありません。路上駐車の場合は、道路交通法で「放置駐車違反」を問われる可能性があります。

インダストリアルIoTの普及に伴い、1980年代に作られたデジタルパーキングメーターは、1935年以来の当初の機械的な構造や現場での手作業によるメンテナンスとは大きく異なります。徐々に大型タッチパネルを搭載するようになっただけでなく、より多様な決済方法やサービス内容にも対応しています。このため、強固なセキュリティと、スムーズな操作によるユーザーエクスペリエンスがパーキングメーターの重要な技術となっています。1990年代以降、年間数百万台のデジタルパーキングメーターが世界各地で販売されています。

 

KS210-IMX6

DFIのヨーロッパのあるクライアントは、1999年に設立され、駐車場や、医療、カスタマイズされたデジタル署名、安全な決済方法などの多様な市場アプリケーション向けのネットワークアーキテクチャとアプリケーションプログラムの設計における俊敏さと柔軟性の強みとしています。また、駐車場管理のソフトウェアとハードウェアの統合ソリューションを提供している国内で唯一の企業でもあります。2015年にDFIの産業用パネルPCのKS210-IMX6(NXP i.MX6システムシングルチップ)を採用して、第一世代のパーキングメーターを開発しました。

産業用タッチパネルPC、KS210-IMX6は、重量がわずか1.26kgで、7インチの投影型静電容量方式タッチパネルを搭載し、IP65規格の防塵・防水仕様を満たし、完全なI/Oインターフェイス(GbE LAN×1、COM×2、HDMI×1、USB×2)を備え、出力1Wのスピーカーを2つ搭載しており、内蔵のMiniPCIeとSIMスロットにより3G/LTEネットワークに対応しています。また、NXP i.MX6は低消費電力を実現しており、これは絶対的必須要件として挙げられています。

パーキングメーターと管理サーバー間のネットワーク接続が侵害を受けないよう確約するために、OSはTLS(Transport Layer Security Protocol)またはSSL(Secure Communication Protocol)の新しいバージョンをサポートしている必要があります。TLS/SSLには、レコード層とハンドシェイクプロトコルがあります。TLSプロトコルは、交換するデータを特定の形式でカプセル化したレコードを交換します。これでハンドシェイクが終了し、接続が終了するまでセッションキーで暗号化および復号化される、セキュアな接続が開始されます。上述のステップのうち1つでも失敗すると、TLSハンドシェイクは失敗し、接続が確立されず、2つのアプリケーション間の通信の機密性と信頼性は確約されません。

当時、i.MX6システムのシングルチップは、デフォルトでAndroid 4.3のOSをサポートしており、TLS(Transport Layer Security Protocol)1.1および1.2をサポートしていなかったため、このお客様のネットワークセキュリティに対する基本的なニーズを満たすことができませんでした。そのため、DFIはお客様に完全なOSのソースコードとコンパイル環境の現行バージョンを提供し、TLS 1.2と互換性のあるSSL(Secure Communication Protocol)のバージョンを補足するようにしました。

しかし、パーキングメーターが4~5ヶ月間にわたり屋外で設置されていると、太陽光が直接パネル画面に当たり、最高温度が80度に達することがあります(KS210-IMX6のデフォルトの動作温度範囲は0~60度)。昼夜の温度差が大きいと膨張の問題が発生し、タッチパネルに空気が入り、パネルディスプレイの鮮明さに深刻な影響を与えることがあります(発生率は約3%)。そこでDFIでは、お客様から不具合サンプルを入手して検査し、お客様が指定した試験条件で異なる接着性やアンチグレア(AG)コーティングのタッチパネルサンプルを手配して実行可能性を確認し、その後の出荷製品に改善策を導入しています。

また、パーキングメーターは、M2Mコントロールカードで読み取ったシステム情報を、モバイル通信ネットワーク経由でサーバーに送信します。しかし、選択された3G通信モジュールとそのM2Mコントロールカードには互換性の問題がありました。DFIはこの問題を解決するために、お客様にM2Mコントロールカードと互換性のある4Gモジュールへの切り替えを推奨しました。

DFIとの緊密な連携を経て、このお客様はKS210-IMX6を引き続き購入することを決定し、パネルの問題に対応するため、保守用のタッチパネルを追加購入しました。Microsoft、Google、Apple、Mozillaのブラウザベンダーが2020年にTLS 1.0と1.1のサポートを終了し、TLS 1.2をサポートしていないAndroid 4.3も市場からフェードアウトし、安全な決済に対応しなくなります。このため、この国の2021年の計画に基づき、いくつかの都市がパーキングメーターを切り替えすることになり、お客様はOSが安全なデータ転送仕様をサポートするよう確約するために、NXP i.MX8をベースにしたDFIの次世代後継モデルを採用することが見込まれています。

DFIのハードウェアとソフトウェアによるシームレスな技術サポートとリアルタイムの業務サービスで、このヨーロッパ企業がパーキングソフトウェアとハードウェアのトータルサービスソリューションを提供し、最も信頼性の高いパーキングメーターを構築するために役立っており、国内市場に限らず、国際的な駐車場管理市場でのさらなるブランド認知に注力することを目標としています。