省電力、高性能、マルチインターフェイスのファンレス組み込みシステムが、最も信頼できる変電所点検ロボットの構築を支援

変電所点検ロボット

車輪付きのインテリジェントな変電所点検ロボットは、労働強度、ランニングコストを効果的に削減でき、検査データの品質を向上させ、新たな変電所点検方式を確立することができます。省電力、高性能、完全なI/Oインターフェイス、および優れた技術サポート能力を備えたDFIのEC70A-SUは、中国の顧客による小型で軽いモジュール式の新世代車輪付き点検ロボット構築を支援しました。その結果、変電所検査の知的レベル向上につなげることができました。

地域：中国

業界：変電所点検システム

アプリケーション：変電所点検ロボット

ソリューション：EC70A-SU

自律型移動ロボット（AMR）

変電所点検ロボットは変電設備の点検に使用され、主に500kV以上の大規模な変電所を中心に、さまざまな変電所で導入されています。検査には、可視光検査と赤外線検査があります。可視光検査では、機器の外観、開かれてから閉じられるまでの状態、検針を明確に検査します。赤外線検査では主に温度を測定し、機器の温度が正常な範囲にあるか否かを観察して、異常な温度上昇がないか分析します。

初期の変電所点検ロボットは、あらかじめ磁気レールを敷設しておき、その磁気レールに沿って前進または後退する無人搬送車（AGV）に属していました。また、検出や旋回、速度調整のためにAGVを停止させる必要がある箇所には、磁気トラックの横にRFIDタグを追加で埋設する必要があります。RFIDタグには、検出、速度調整、旋回などの調整に関する情報が含まれています。ロボットはこれらのタグをスキャンした後、対応する動作を実行します。

レーザーレーダーナビゲーションやリアルタイムの同時自己位置推定・環境地図作成（SLAM、Simultaneous Localization, and Mapping）アルゴリズム技術などの自律型測位およびナビゲーション技術の急速な発展に伴い、事前に計画された環境（工場の建て替え、軌道の敷設、整地など）に配置する必要のない自律移動ロボット（AMR）を誕生させます。

自律型移動ロボット（AMR）は、無人搬送車（AGV）のように事前に計画された環境に導入する必要がないため、倉庫、物流、スマートファクトリーなど、さまざまな産業分野で利用されています。

AMRファミリーの一員である小型インテリジェント点検ロボットは、ロボットの本質的な検査機能を維持しながら、より小型かつ軽量で、より手軽に導入でき、多様な電圧レベルの変電所で広く使用できます。また、超高周波無線基地局や一元管理プラットフォームソフトウェアと組み合わせることで、高リスクの環境における機器点検をスタッフに代わって実行することができ、変電所無人化のニーズに対応することができます。

自律型のナビゲーションと測位技術、非接触検出技術、マルチセンサーフュージョン、バックグラウンドでの広範なデータ分析を統合した、小型かつ軽量でモジュール化された新世代の車輪付き点検ロボットは、変電所における全天候型で多方向に対応した独立型インテリジェンスを実現します。これを活用した点検とモニタリングにより、労働強度や変電所のランニングコストを効果的に削減し、検査データの品質を高め、変電所の知的レベルを向上させることが可能になります。

EC70A-SU

2002年に中国で設立されたロボットメーカーは、人工知能、データモニタリング、インテリジェントグリッドなど産業技術製品の研究開発を専門として、ロボットによるインテリジェントな検査や産業設備のオンラインモニタリングを数多く実現しています。このメーカーは手作業に代えて、点検、検針、火災検知などの業務ニーズに対応するための変電所点検ロボットの心臓部と頭脳部に、DFIのEC70A-SUを採用しました。これには次のような理由があります。

• 省電力：航続時間の延長、充電時間の短縮、バッテリーの長寿命化を実現します。
• 高性能：より複雑で精密なアルゴリズムを実行するための視覚的画像解析に適用できます。
• 包括的なI/Oインターフェイス：位置センサー、インバーター、サーボモーターの接続からロボットの動作制御まで、あらゆるニーズを満たしています。

このロボットは、レーザーレーダー、慣性航法、視覚的道路理解技術を使用して、自律的なポジショニングとナビゲーションを実行することができ、ロボットの走行精度を効果的に高めます。即時のSLAM技術は、環境変化に起因するナビゲーションと位置推定の環境地図マッチングに関する問題を解決します。また、深層学習に基づく自律型画像認識アルゴリズムは、局所フォーカス、SIFT特徴照合、パターン認識などを柔軟に適用し、優れた認識成功率を実現しています。ロボットはさまざまなメーターのデータを読み取り、走行しながら自動的に記録・判定し、必要に応じて警報を発することができます。環境をデジタルで自動的に評価・認識し、エラー率5％未満、成功率95％超となっています。

EC70A-SUは非常にコンパクトなサイズとなっているため、ロボット本体は小型の精巧な設計であり、手軽に手動で取り扱うことができると同時に、車両による搬送にも適しています。技術に加えて、DFIの優れたビジネス推進力、技術サポート力、顧客のニーズをリアルタイムで確実に把握して対応する能力なども顧客のメリットとなっています。

また、2007年に設立された別の中国の顧客は、ロボットや人工知能関連の製品や総合ソリューションを提供しています。関連分野の最先端技術を中核として、ロボットの自動制御、ナビゲーションとポジショニング、機械学習、グラフィックス、画像解析に注力し、電力、化学、エネルギー、セキュリティ鉄道などの分野で広く使用されている多様な革新的ロボット製品を開発しています。

自社開発のインテリジェントな点検ロボットは、汎用ロボット技術を中核としています。マルチセンサーフュージョン技術、インテリジェントな画像認識及び解析技術、自律型ナビゲーション及びポジショニング技術、非接触検出などの技術を統合し、全天候型変電所におけるトータルな自律的効率を実現しています。そのため、インテリジェントな点検・モニタリングにより、従業員の労働強度を効果的に軽減しながら、業務とメンテナンス作業の自動化とインテリジェンスを向上させています。そして、無人または少人数の変電所に革新的なアプリケーションを提供しています。

その小型インテリジェント点検ロボットのコンピューティングコアにも、頑丈で耐久性に優れた構造を有するDFIのEC70A-SUが採用されています。同製品は全体が産業グレードの部品で構成されており、15～36V DCの広範囲電圧電源入力をサポートし、-20℃～60℃の温度範囲で安定して動作することができます。また、オンボードメモリはこの小型インテリジェント点検ロボットの移動時の耐久性に対応した高い耐衝撃性を備えています。さらに、EC70A-SUはガルバニック絶縁保護付きのCOMポート6個を提供するほか、ジャンパを調整することでRS-232/422/485をサポートし、カスタマイズの柔軟性を高めています。

そのため、自律型ナビゲーション、自動充電、音声と光のアラーム、メッセージ通知、インテリジェントな検査などの必須機能に加えて、さまざまな業界の顧客向けに便利にカスタマイズできます。さらに、赤外線温度計測、三相温度差判定、メーター認識、漏電検知、不具合検知、異物認識などの専門機能を統合し、この小型インテリジェント点検ロボットの必須機能とすることもできます。

最後に、EC70A-SUは2030年第1四半期までの15年間にわたるCPU長期供給をサポートし、プロセッサーモデルの多様な選択肢があるため、EC70A-SUを安心して使用することができます。さらに、小型で軽く、パワフルなEC70A-SUは、コンピューティングブレインを搭載した小型インテリジェント点検ロボットとして使用されることで、無人変電所に高い価値をもたらします。