Qisdaグループのロボティクス業界における長年の実績と、DFIの傑出した産業コンピューター製品が、半導体業界の製造効率を改善

工場のスマート化が始まり、人件費と処理時間を節約するため、自動荷役システムの採用が増えています。OHT（天井走行式無人搬送車）が、次世代の加工工場で輸送システムの主役になると、一般的に見られています。長い間、し烈な競争に晒され、高度なプロセス技術で急速に変化が進む半導体業界では、スマート工場も時代の変化に合わせ、既存の生産ラインを最適化して生産効率を改善しなければなりません。半導体業界におけるQisdaグループの長年の実績と、DFIが提供する包括的な製品仕様によって、日本の大手半導体設備メーカーが、OHTに最適な制御システムを得ることができました。

地域：日本

業界：半導体

アプリケーション：天井走行式無人搬送車（OHT）

ソリューション：EC700-AL

OHTは頭上の軌道を走り、ストッカのロードポートへ「直接」アクセスし、ベルト駆動されたホイスト機構を使用して設備を動かす、自動化された輸送システムです。OHTは、ロードポートユニット（LPU）のフープ（Front Opening Unified Pods）をピックアップして高効率な処理フローと在庫管理を実現し、クリーンルームの床面積をとらずに、各プロセスで高速かつ安定してウェハーを取り扱います。OHTは加工工場でWIP（仕掛品）キャリアのツール間の直接輸送、ツール-バッファー間輸送、バッファー－ツール輸送など、12インチウェハーを輸送するために、広範囲で採用されています。ベイ間輸送のみならず、OHTはベイ内輸送、さらにはビル間輸送にも使用できます。

OHTは工場施設の3次元空間を有効に活用し、人間の通路を塞がずに、クリーンルームの空間活用率を最大限に高められます。また、シミュレーションを通じて処理時間を予測・分析できるため、処理待ち時間を効果的に短縮し、素早く移動し、スケジュール重複を回避し、最適な経路を見つけられるため、クリーンルームでのOHT輸送を生産側の要件によく合致します。

Qisdaグループはこの分野で長年にわたり活動をしております。中国工場での自社採用で初期導入された設備は、後に台湾工場でも採用され、他の国々へ展開されました。すでに半導体業界全体のアプリケーションと顧客に採用されています。QisdaのAGVを大手ファウンドリーへ出荷する以外にも、DFIはOHT市場へ進出し、基板やベアボーンを台湾のOHTシステムインテグレーターや、チップのパッケージングおよび試験工場へ供給し、スマート工場のビジネスチャンスを探ってきました。

このため、業界で80年以上歴史のある、大手日本半導体設備メーカーが、新世代のOHTの制御部としてDFIのEC700-ALを選択しました。OHTの輸送と移動時に、衝突や振動を回避することが難しいため、EC700-ALは非常に重要な、耐振動性のオンボードメモリーとeMMCストレージを特徴としています。長薄型で小型のEC700-ALは、OHTの限られた機械設計スペースにも適合し、シームレスにシステムを統合できるようになっています。

このOHTは非接触式の高電圧誘導で駆動し、倉庫内で66台の車両、クリーンルームで11台の車両へ同時に導入できます（うち3台まで、破損しても大丈夫です）。現在は、ベイ間、ベイ内、工場敷地内の輸送に使用されています。

さらに、EC700-ALは、DDR3L SO-DIMMメモリーモジュールや2.5インチSATA 3.0 SSDなど、各種の構成に対応できるため、低価格で多彩な顧客層のアプリケーションを素早く実現できます。

DFIの製品群はIntel Atom E3900シリーズプラットフォーム（コードネームはApollo Lake）に基づいていることにも、ご注意ください。これはEC700-ALと同じであり、UbuntuのIoTハードウェア認証パートナープログラムから、認証を受けています。DFIはまた、Ubuntu認定IoTハードウェアの提供を目的としたこのプログラムに参加する、世界初の産業用コンピューターメーカーです。顧客が世界中で最も普及したLinuxディストリビューションをプリインストールしている場合は、システムのアップデートリスクを無くし、ソフトウェアのリードタイムを減らして、シームレスなIoTエコシステムを形成しやすくなります。